不動産をどちらかに明け渡す。
家を処分するのはもったいない、または十分利用価値があるなどの理由で残す
場合もあります。しかし誰かがそれを管理していく必要があります。そのため
その家を離婚する夫婦のどちらかが所有という形になります。これも財産の分与
の一つの形となります。いわゆる明け渡すという方法です。この場合にも、
家の処分と同様に3000万円の特別控除と居住用不動産の軽減税率適用を利用して
いくことができます。この制度の適用は、離婚してお互いが全くの他人、つまり
第3者になって始めて利用できるものとなります。そのため、離婚した後にいき
なり家の明け渡しを要求されるということがよくあることになります。また家を
そのまま慰謝料などの代わりとして利用する場合にもこの明け渡しが利用される
ことがあります。離婚した後に何かトラブルが起こってもめることになっても、
それはすでに夫婦というものではなく、他人同士の争いとなります。そのため今
まで通じてきた夫婦での考えはないものと思っていたほうが良いでしょう。
安心しきっていたところに、思わぬ要求が来るということも珍しくはありません。
これらを防いでおく為にも、夫婦という関係でいる間に、多くの問題についての
検討が必要となってきます。夫婦の信頼関係などに頼らず、しっかりと手続きを
踏んでいくことが大切です。お互いが要求することは何かを理解するとともに、
その要求を実現させることができるのか話し合っていくと良いでしょう。話をする
機会を持つこと事態が難しい場面もあると思いますが、手続き全体を通して、曖昧
な部分は残さないようにしたほうが自分のためにも、相手のためにもなります。