離婚の原因になる一つとして、夫婦のどちらかがうつ病などの精神疾患である
ことが挙げられます。うつ病は「心の病」とも言われる病気として一般的によく
知られるようになってきていますが、実際には脳内物質の分泌量など変化する
ことが原因となって起きる病気です。ちょっとした気分転換などでは治せない
病気ですので、しっかりと治療を受ける必要があります。
夫や妻がこのようなうつ病になってしまった場合、最初のうちは誰でも一緒に
治療に協力しようと試みるのですが、うつ病はすぐに治るような病気ではあり
ません。完治するまでには長期間かかりますし、治療をしても完治しない場合
もあります。また、完治してもまた再発してしまう恐れも非常に高い病気です
から、うつ病の患者さん同様に治療に協力している周りの家族も心身共に疲れ
果ててしまうことも決して少なくありません。
うつ病がきっかけとなる離婚の原因は、こうした相手に対しての心身的な疲れ
が最も多く挙げられています。例えば、夫がうつ病になってしまった場合、
これまで支えてきた妻自身も同様に負担を感じています。勿論、その負担に耐え
られる方々もいらっしゃいますし、うつ病の相手を支え続けて変わらない関係を
築いている夫婦も存在しています。しかし、心身的な負担を一度感じてしまうと、
今自分がいる状況に対して疑問を抱くようになってしまうことがあるのです。
自分はこのままで幸せなんだろうか?自分の人生はこれからどうなるのだろうか?
といったような不安も現れてきます。このようなことから、うつ病の患者さんを
支えている方々が精神疾患になってしまうケースも少なくありません。
うつ病の患者さんと付き合い続けていくということは、精神的にも肉体的にも
負担がかかるものなのです。うつ病が原因となる離婚は、その負担から自分を守る
ための手段としても考えられています。
ただし、このような精神疾患が原因となっている場合、個人の感情や考えだけで
離婚を決めてしまうことは危険ですので、離婚カウンセラーなどに相談をしてみて
ください。相手が治療を受けているようであれば、医師の方へ相談をしてみることも
おすすめしています。夫婦でカウンセリングを受ける必要がある場合もありますから、
まずは夫婦の関係性について話を聞いてもらうことが大切です。